洗口液や歯磨剤の中には多くの種類の除菌剤が含まれていますが、これらを駆使しても、口の中の細菌をゼロにすることはできません。人が生きている限り無菌状態にすることはできないのです。
口の中には数百種類の細菌がいて、同定されていない未知の細菌も多いと考えられています。その中で、最近明らかになってきたことは、口の中の細菌のバランスが大切ということです。一昔前までは、虫歯はミュータンス菌、歯周病はPG菌が原因菌と考えられていました。確かにこれらの菌が主役ではあるのですが、そのほかの多くの種類の細菌とのネットワークを作り「善玉菌」「悪玉菌」「どちらか優勢な方を加勢する日和見菌」 が、“シンバイオーシス“という健康な口腔細菌叢(集まり)を形成しています。そこに、口腔衛生状態が不良になったり、食生活が乱れたり、全身疾患で免疫力が低下したり、唾液の量が減ったりといったことが生じると、”ディスバイオーシス“という病的な口腔細菌叢へと変化し、歯周病やむし歯を生じるというわけです。
お口の中の細菌のネットワークを正常に保ち、悪玉菌に有利な条件を与えないことがお口の健康へとつながります。そのためには、正しい生活習慣や全身の健康維持そして定期的なお口のメインテナンスが推奨されます。
池袋の街歯医者 リキタケ歯科医院では定期的メインテナンスを推進していきます。
参考文献 Japanease Journal of Lactic Acid Bacteria 「口腔錠剤微生物叢の構成と健康との関連」 竹下徹・山下喜久 2016